2022年のリーグ戦も16試合を消化し、代表ウィークに入った。
浦和はここまで2勝9分5敗、15得点16失点で14位に沈んでいる。当初掲げていたリーグ優勝は、実質的にはもう不可能な状況だ。
むしろ数字的には、残留争いに片足以上を突っ込んでいると言えるだろう。
エクスキューズはある。もう遠い昔な気もするが、開幕直前にコロナ禍に見舞われ、直前で2種登録したユースのFWを即ベンチに入れる事態になっていた。また、主力4人(犬飼、ユンカー、酒井、大畑)が揃って骨折したり、怪我で数試合見ない選手が何人もいたりと、なかなか戦力が揃わないことが多かったのは事実。
不運が重なったと感じることもあるが、とは言えこれはもう起きてしまったことなので、たらればを言っても仕方はない。現状に即したアクションが必要だろう。
目標を高く持つことは大事だが、あまりに現状と乖離した目標を掲げても意味はない。リーグ戦が一休みするこのタイミングで、今季の目標の再設定についてクラブからのアナウンスがあるべきだろう。
現実的にはリーグ戦は出来るだけ早く残留争いから抜け出し、1つでも順位を上げる。天皇杯で来季のACL出場権を目指す。ルヴァン杯とACLは参加するからには優勝を目指す。こんな感じではないだろうか。
勝ち点が伸びていない理由は、何と言っても勝ちきれないことだ。
7連続ドローを「負けてない」と言えばその通りだが、勝ち点で考えれば同じ7試合を2勝5敗で終えた時と1つしか変わらず、3勝4敗の負け越しよりも劣る。
カップ戦は負けないことが大事だが、リーグ戦は勝たないと上に行けない。リーグ優勝を目指すと言ったチームであれば、引き分けを勝てなかったと捉えなければいけないだろう。
で、勝ちきれないのは得点力不足が原因に他ならない。1試合平均1得点未満の攻撃力では、さすがに勝利を積み重ねていくのは厳しい。
西野TDは以前から、典型的なストライカー(パトリックとかレアンドロダミアンのような選手のことだろう)を頼るサッカーを志向していないので、そのような補強の意思も薄いというようなことを言っている。
一方で、最近の試合で見る攻撃パターンの多くを大外レーンからのクロスが占めている印象がある。この攻撃パターンであれば、むしろ典型的なストライカーが必要なはずで、このあたりのギャップには一抹の不安を覚えるところである。
そもそもリカルドの浦和レッズが狙いとしている攻撃の型は、サイドを深く抉ってキーパーに向かってドリブルをしていくような形からのマイナスのクロスではないかと、勝手に思っている。
【浦和 江坂の正確なシュートでゲームが動き出す】#天皇杯サッカー⚽ 決勝
— NHKサッカー (@NHK_soccer) 2021年12月19日
前半6分 #浦和レッズ 1-0 #大分トリニータ
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⚽GOAL PLAYBACK⚽
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同級生コンビ #汰木康也 → #関根貴大 でGOAL❗#江坂任 の見事なまた抜きパスにも拍手👏#urawareds #浦和レッズ #wearereds #サッカー #Jリーグ pic.twitter.com/C2HxQYXmzV
📺PLAYBACK GAME📺#大久保智明 が粘り強く、そして鮮やかなドリブルでチャンスを創出❗️
— 浦和レッズオフィシャル (@REDSOFFICIAL) 2022年5月18日
そして #キャスパーユンカー が押し込んでハットトリックを達成⚽⚽⚽
ついに同点に追いついた❗️#REDS030th #urawareds #浦和レッズ #WeareREDS #Jリーグ pic.twitter.com/4S6OrWe7mS
この攻撃では、もはや中で待っている人の得点能力はそこまで重要でない。必要なのは、マイナスのクロスが出そうな3つくらいのルートのいずれかに素早くポジションを取ることで、だからこそ高さや強さといったストライカー的要素にこだわりはなく、アジリティのある選手を求めているのだと理解している。
今期の序盤はこの形の攻撃による決定機が1試合に2~3回は必ずあったような気がしていたが、最近はあまり印象にない。試合を重ねるたびに、攻撃が単純化していっているように感じるのが不安要素だ。
同じ話が、セットプレーにも言える。序盤は様々なバリエーションのセットプレー、特にコーナーキックが見られたような気がするが、最近は単純に放り込む感じになっている。積み重ねたものが剝げ落ちていっているような感覚だ。
開幕前のコロナのゴタゴタからの連戦、ACLのタイ遠征などで、戦術的な上積みをする時間がなかったのだと思われる。キャンプの貯金を切り崩して戦ってきて、もうスッカラカンになっている状況だろうか。
そりゃあ時間が全くなかったわけでもないだろうが、人間なので精神的な余裕もないと、なかなか課題に取り組めないものだろう。コロナでわちゃわちゃ、結果が付いてこない状況ですぐ次の試合が来てしまう…。監督も選手も、とりあえず乗り切るので精一杯だったのだろうと思う。
昨日の天皇杯を勝利したことで、少し精神的にも落ち着いて、まとまったトレーニングの時間を確保できる状況になった。監督も攻撃の課題に着手するような趣旨を会見でも語っている。
監督には課題を解決する手腕があると思っているし、それをピッチで表現できる選手たちも揃っていると信じている。
中断明けのV字回復に期待したい。
浦和リカルド監督「最高のレベルで戦い、タイトルを取りにいく」 ジャイキリ回避で天皇杯連覇狙う : スポーツ報知